Amazonレビューが売上に与える影響を徹底解説 売上との相関・年収別レビュー信用度など

「Amazon店舗のレビュー対策にどの程度のリソースを割けば良いかわからない」
「Amazonのレビューの数値におけるベンチマークを知りたい」

この記事は、そんな方へ向けて書いています。

「Amazonで商品を買うとき、最初に目にするのはレビュー評価」と言っても過言ではありません。
評価が高い商品や投稿数が多い商品ほど、購買意欲が高まりやすいのは周知の事実。しかし実際には、星評価が0.1下がるだけでトラフィックが20~30%低下するなど、想像以上にレビューが売上を左右するケースも多々あります。

本記事では、最新の調査データやアルゴリズムの観点から、Amazonレビューが売上や検索順位に与える深刻な影響を徹底解説します。
EC事業者の方はもちろん、すべてのAmazonセラーにとって損を未然に防ぐ情報をまとめました。

先取り結論:レビュー対策の重要度は想像よりかなり高め
  • Amazonユーザーの90%がレビューを参照している
  • レビュー3未満は存在しない扱い
  • 週2以上の新規レビュー獲得を目指すことで、上位表示率2.5倍
  • 低評価レビューは48時間以内に対応することで、32%の可能性で高評価に変更される

1. Amazonレビューが売上に与える「深刻な」影響

1-1. 90%以上の購入者がレビューを確認・星3未満は検討対象外

多くの調査で示されているとおり、90%以上の購入者がレビューを参考にして商品を検討します。

さらにレビューが少ない、あるいは星評価が3未満の商品は、多くの購入者の検討対象から外されがちです。
つまり、評価3未満の商品は、店頭に並べられていても「存在しないもの」として扱われます。

  • 星4.5以上の商品のCVR(購入率)は、星4.0以下と比べて最大30%向上
  • 星評価が0.1下がるだけでも検索流入やトラフィックが約20~30%低下
  • 1件のレビューがあるだけで、レビュー無しの場合よりも購入確率が65%高まる

こうしたデータからわかるのは、レビュー評価が高い商品ほど「売上を伸ばしやすい」だけでなく、「そもそも比較テーブルにすら載らないリスクを回避できる」ということです。

Amazon Reviews: Importance for Your Sales and Ratings

1-2. レビュー数が30件を超えると、月間売上が20〜30%向上する

LianLianGlobalによると、レビュー数が30件を超えると、月間売上が20~30%向上するというデータも報告されています。

これは、購入者の「他人が買っている=安心感」を後押しするためです。
その安心感のラインが20件〜30件のレンジに存在し、レビュー20件を超えると急に売上が伸びる、なんてケースも珍しくありません。

レビュー数がまだ少ない出品者は、まず一定の投稿数を目指す施策を優先しましょう。

  • 購入後5~15日目にレビューを依頼すると、投稿率が平均40%以上になるとの調査結果も
  • 星評価だけでなく「レビューの総数」も、検索順位に影響するアルゴリズム(A10)の要因の一つ

The Power of Reviews: How They Affect Amazon Search Rankings and Sales

【参考】業界別レビューの影響度

家電・電子機器レビュー1件あたりの売上貢献度が$128と最高
食品・飲料星4.0以上でリピート購入率78%
※ただし賞味期限表示誤りがあるとネガティブ率3.8倍に急増
ファッション画像付きレビューがあるとCVRが45%増加
書籍レビュー数より著者返信率が重要で、返信ありの場合CVR(コンバージョン率)2.3倍増

2. 検索順位を左右するレビュー評価

2-1. A10アルゴリズムが重視する「レビューの新しさ」と「質」

AmazonのA10アルゴリズムでは、レビューの量・新しさ・認証済みレビュー比率が検索順位決定の大きな要因となっています。

とくに、最新のレビューが定期的につく商品は、「売れ筋」「人気上昇中」とみなされ、検索順位が上がりやすいとされています。

  • 週2件以上の新規レビュー獲得が続く商品は、検索結果の上位表示率が2.5倍になる

「週2件以上の新規レビュー獲得」は弊社がガッツリとレビュー施策を行う際も意識している指標です。

例えば食品ジャンルで平均的なレビュー獲得率は5%程度ですが、その場合、週に2件のレビューを獲得したい場合は40件以上の売上が必要となります。

自社のレビュー率に応じて、レビュー率を高める施策を行うのか、または売上件数自体を伸ばす施策を行うのかを検討しましょう。

あらゆる施策の優先順位は「その店舗のフェーズ」によりますが、簡単なレビュー対策は手軽にできるので、優先度を高めても良いでしょう。

2-2. レビュー本文のキーワードがSEOにも影響

BERTモデルなどの自然言語処理(NLP)の導入により、レビュー本文中に含まれるキーワードが商品ページ自体の検索順位を最大15%向上させる事例も報告されています。

ユーザーが書く「自然な言葉」ほど、関連キーワードとしてAmazonに評価されやすいのです。

  • ネガティブワード(例:「返品」「まずい」など)が頻出すると、検索順位が下がる
  • ポジティブワード(例:「美味しい」「品質が良い」など)が増えるほど、CTR(クリック率)向上につながる

BERTモデルなどの導入により、細かいニュアンスを情報として処理できるようになりました。偽レビュー排除も相まって、今後はより「ユーザーフレンドリー」な商品が正しく評価されていく流れになるでしょう。

ネガティブワード対策としてすぐにできるのは、ユーザーの期待値コントロールです。

過度に盛った訴求や、商品サイズや品質を勘違いさせるような加工・撮影は長期的には逆効果です。
また、リスクや注意点を予め伝えておきましょう。

期待値コントロールとは?
期待値コントロールとは、ユーザーが商品を購入する際に抱く“期待”と、実際に提供できる“現実”とのギャップを最小限に抑えるための手法です。


3. 食品ECでこそ重要になるレビューの質と対応

3-1. 食品ECが直面するレビューの特性

食品や飲料の商品レビューは、「美味しさ」「賞味期限」「配送状態」「安全性」など細かい要素が多岐にわたります。そのため、ひとつのネガティブレビューが発端となり、購買意欲を大きく削ぐ可能性があります。

  • 「味がイメージと違った」というレビューは、一気に拡散されると売上ダウンに直結
  • 発送ミスや賞味期限切れに関するクレームは、信頼を損なう原因に

実際のところ、多くの商品を扱う店舗で「あらゆる業務をミスなく100点でこなす」ことは不可能に近いです。

金額も発送期限もミスすることなく、セールに応じて正確にバナーの出し分けを行い、在庫管理を丁寧に行ったうえで、配送業者が何のトラブルもなく配達完了する、これを毎日毎月続ける・・・これは夢物語です。
そのため、「ある程度のミスは許容し、ミスが起きた場合にどう対応するか」を予めシミュレーションしておくことが、長期的には店舗の評価向上の鍵となります。

例えば弊社サポート店舗では、サポート開始時にいくつか低評価レビューが散見されました。
期待値コントロールとして訴求方法を見直したうえで、一気にレビュー施策&売上拡大施策を行いました。

最新レビュー・高評価レビューの割合を増やすことで、低評価レビューを希釈化し、評価点数としても3以下から4以上まで到達させることに成功しました。

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3-2. ネガティブレビューへの迅速な対応

楽天市場の調査(2023)ですが、「グッドマンの法則の再現性」によると、ネガティブレビューへの対応が遅れると再購入率が54%まで低下します。

逆に言えば、誠実かつ素早い対応を行うことで、クレームをポジティブな評価に転換できる可能性があります。

不備や不満をヒアリングし、ユーザーの求めていること(返金なのか代替品なのか、誠意のこもった謝罪なのか)にできるだけ応えるようにしましょう。

クレーム対策は企業の根幹とも言える部分で、ユーザーの声をダイレクトに、忖度抜きで聞ける最高の機会です。

単純に「その1ユーザーの取りこぼし」「返金や代替品による損失」といったミクロな話ではありません。
「ユーザーとの接点をどう使って、その声をどのように・どんなスピード感で反映させるか」といった「企業の、ユーザーとの向き合い方」という重要なポイントです。

  • 48時間以内に返信することで、約32%の確率で評価が改善される
  • 不備があった場合は即座に謝罪と代替品の再送など、具体的アクションを提示する

1件のクレームを放置することで、SNSでの炎上や係争案件になる可能性も。
丁寧に向き合いましょう。

4. 年収別レビュー信用度の差

4-1. 高所得層ほどレビューに厳しい目線

ある調査によれば、世帯年収600~800万円層の約83%がレビューを信頼する一方、1,500~2,000万円層では62%がやや懐疑的とされています。

所得が高いほど情報源を複数チェックする傾向があり、レビューを鵜呑みにせず、SNSや専門サイトの評判とも照合することが多いようです。

これは逆に、色々な情報を参照してくれる反面、小手先のレビュー対策では太刀打ちできないとも言えます。

自身のターゲットユーザー属性を考え、場合によっては他専門サイトでの露出の見直しも検討しましょう。
もしかしたら「特定のSNSでの評価改善」がセンターピンとなる場合も。

商品レビューはどのくらい購買行動に影響する?世帯年収別Amazonレビュー信用度を調査。 | ECマーケター by 株式会社いつも

4-2. レビューだけに頼らない訴求も重要

高所得層が多く利用する可能性の高いプレミアム商品・ギフト商品などを扱う場合、レビューだけでなく公式サイト・ブランドストーリー・他メディアでの評価を総合的に見せる必要があります。

  • Amazon内だけでなく自社ECサイトやInstagramなども連動して、ユーザーの声を発信する
  • 「メディア掲載実績」や「第三者機関の認証」を明示することで、信用を補完できる

メディア掲載実績が無い場合でも、「◯◯ランキング1位」「満足度◯%(レビュー言い換え)」など、別の角度からの言い回しで代替することができます。

例えば実店舗も存在する場合は、そこに並ぶ行列の撮影や、店舗の歴史がわかるようなクリエイティブも効果的です

効果的なレビュー獲得戦略

Amazonレビュー対策のポイントは3つ。

  • Amazon Vineプログラム
  • レビュー施策
  • 禁止行為を厳守する

Amazon Vineプログラム

  • 参加商品の平均売上増加率は28%

Amazon Vineプログラムは積極的に参加すべきです。

Amazon Vineプログラムとは、Amazonが公式に運営する「トップレビュアーによる製品レビュー提供サービス」です。セラーやベンダーがプログラムに参加すると、Amazonが選んだ信頼性の高いレビュアー(Vine Voices)に商品を無償で提供し、正直かつ客観的なレビューを投稿してもらえます。

特に初期のレビュー増加施策としてはかなり優秀です。

もしこれで良い評価が得られなかったとしても、ユーザーの声をダイレクトに聞くことで、商品改善に役立てることができます。

Using Amazon Reviews to Boost Sales & Trust | Premiere Creative

ちなみにVINEは以前までは無料でしたが、2023年10月19日より新しい料金体系となり、有料になりました・・・!
商品を無償提供するだけではなく、お金がかかります。

そもそもブランド登録&FBAを利用していないとVINEが利用できないので、そのあたりも気をつけましょう。

VINEのポイントを記載しておくので、参考にしてください。

  • 普通のレビューと合わせて30件までVINEでレビューを集めることができる
  • 商品をまとめて登録するほど、レビューを効率的に集められる。
  • 必ずしも良いレビューがもらえるとは限らない
  • 初回のレビューが投稿された時点で請求されるため、費用が無駄になるリスクは少ない。
  • 商品ページが整ってる状態で活用する:低レビュー回避
  • 商品提供してもレビューが書かれない場合も
  • 事前にブランドストーリーやA+コンテンツを充実させる(可能なら動画も掲載する)

Vineは1レビューあたりの単価が見えます。
他のインフルエンサー施策などと比較しても、コストパフォーマンスが良い施策と言えますね。

無料枠で試してから有料登録への移行も可能なので、是非検討してみましょう。

レビュー施策

  • 購入後5-15日目に依頼メールを送信すると反応率40%以上のデータも
  • QRコード付きレビュー依頼カードを挿入することで投稿率15%向上
  • ネガティブレビューには48時間以内に対応することで、32%の確率で評価改善

レビュー施策については上記のようなデータが出ています。

「レビュー促進メール」「レビューカード同梱」「ネガティブレビューへの早期対応」これら3つは今日からできるレビュー施策として、是非取り組んでみてください。

また、レビュー施策を意識することで、顧客の期待値や期待値コントロールにも目が向くようになります。結果的に、よりユーザーフレンドリーなネットショップ運営が可能となります。

レビュー禁止行為の厳守

  • インセンティブ付与(アカウント停止率87%
  • 同一IPからの複数投稿(検出率92%
  • 競合商品への攻撃的レビュー(営業妨害訴訟リスク)。

Amazonをはじめ、各プラットフォームではいわゆる「自演レビュー」「レビューの購入」が禁止されているだけでなく、しっかり取り締まられております。

様々な違反行為の中でもレビューはその罪が重い領域でして、悪質な場合はアカウント停止や永久BANなどの対応がとられます。

「悪質な場合は」という前置きはしていますが、永久アカウントBANなどはよく聞く話です。
言葉を選ばずに言うと「マジでバレるからやめておけ」と伝えておきます!

また、他社への攻撃的なレビューも控えましょう。正しい競争にならない上に、最近は裁判所も情報開示の流れにあるようで、そのリスクは日に日に高まっております。

ネットショップ担当者であれば、是非商品力と運営力で勝負しましょう。

5. これからのレビュー対策トレンド

5-1. AI生成レビュー・動画レビューの台頭

2025年には、自然言語処理を活用した「AI生成レビュー」や、動画付きレビューが急増すると予想されています。

特に動画レビューは文章のみのレビューよりも平均滞在時間を3.2倍延ばし、他ユーザーへの購入検討への影響力が強いといわれています。

5-2. ベイズ理論と初期レビューの重要性

スタンフォード大の研究では、初期レビューが悪い商品は、好評価のレビューが10件ついてようやく信用を回復するといったデータも報告されています。

立ち上げ時期にいかにポジティブな評価を得るかが、長期売上に大きく作用します。

Navigating by the Stars: Investigating the Actual and Perceived Validity of Online User Ratings | Journal of Consumer Research | Oxford Academic


6まとめ:レビュー対策こそが売上と信用を守るカギ

Amazonでのレビュー評価は、単純に「星が多いほど売れる」という話ではありません。

レビューの内容や投稿タイミング、ネガティブ対応の迅速さ、さらに購入者層の所得レベルやブランド戦略まで多岐にわたって結果を左右します。

  • まずは星評価の底上げ安定したレビュー獲得を優先
  • ネガティブレビュー対応は素早く誠実に
  • 高所得層をターゲットにするなら、レビューに加えて多方面の信用を獲得
  • AIや動画レビューなどの新トレンドにもアンテナを張り、取り組みを検討

こうしたポイントを押さえておくことで、Amazonでの売上を最大化するだけでなく、ブランド全体の信頼性向上にもつながります。

食品EC業界の方へ:食品ECの場合は、特にレビュー内容が購買に直結しやすいので、早め早めの対策を検討してみてください。

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