「楽天市場に出店したものの、日々の運営だけで手一杯になっている」
「商品には自信があるけれど、ECでどう売上につなげればいいのかわからない」
実店舗では支持されている焼き菓子を販売していた一方で、ECではその魅力を十分に伝えられず、楽天市場の月商は約5万円。
そこでGOATでは、単純に広告費を増やすのではなく、入口商品・本命商品・ギフト商品それぞれの役割を整理し、「初めて知った人が購入し、その後リピートするまで」の売れる構造そのものを再設計しました。
その結果、サポート開始から約3ヶ月で月商150万円を突破。
さらにレビューやリピーターが積み上がったことで、その後も売上を維持し、2026年3月には過去最高となる月商158万円を記録しました。
入口商品から「売れる構造」を再設計し、月商約30倍へ
課題
- 実店舗との兼務でEC担当者が実質1名しかおらず、改善施策まで手が回っていなかった
- Shopifyから楽天市場へ移行したものの、月商約5万円、CVR0〜1%程度と売上が停滞していた
- 商品自体の品質は高い一方、EC上で商品の魅力を十分に伝えられていなかった
- 初めて店舗を知ったユーザーが購入するには、既存商品の価格帯が高かった
- 入口商品・本命商品といった「商品の役割」が整理されていなかった
- 包装や熨斗に対応できるにもかかわらず、ギフト対応がページ上で伝わっていなかった
今回ご相談いただいたのは、実店舗を運営しながら楽天市場でも焼き菓子を販売している店舗様でした。
実店舗では手作りの商品が支持されており、商品そのものには十分な魅力がありました。
一方、EC運営を担当されていたのは実質1名。
PCの設定や商品登録、商品手配など、日々の業務をこなすだけで手一杯になっており、売上を伸ばすための分析や改善施策まで取り組むことが難しい状態でした。
それ以前にはShopifyを使った自社ECにも取り組んでいましたが、自社での集客に苦戦。
そこで楽天市場へ販売チャネルを移したものの、ご相談時点での売上は月商約5万円、CVRも0〜1%程度でした。
まず行ったのは「広告」ではなく、商品と購入体験の確認
ECで売上が伸びない場合、広告を増やすことでアクセスを増やす方法もあります。
しかし、アクセスを増やす前に、
「そもそも初めてこの店舗を知ったユーザーが購入しやすい商品構成になっているか」
を確認する必要があります。
そこで最初に、現在の売上・アクセス・転換率・リピート状況などを確認。
さらに実際の商品を送っていただき、商品そのものだけでなく、梱包・同梱物・商品が届いたときの見え方まで含めて確認しました。
食品ECでは、画面上の数字だけではなく、商品が届いてから箱を開け、実際に食べるまでのユーザー体験を確認することも重要です。
実際に商品を確認すると、実店舗で人気の商品に絞って販売されていたこともあり、味や品質そのものに大きな問題はありませんでした。
むしろ課題だったのは、
「良い商品を、ECで売れる形に翻訳できていないこと」
でした。
約300円の赤字を許容して「1,000円のお試しセット」を開発
当時販売していた焼き菓子は、数千円台の商品が中心でした。
すでに店舗を知っているお客様であれば購入できますが、楽天市場で初めて店舗を知ったユーザーにとっては、いきなり数千円の商品を購入することは簡単ではありません。
そこで必要だと判断したのが、**ブランドを知ってもらうための「入口商品」**です。
既存のアソート商品を実際に試食し、
- 何を入れるか
- 何個入れるか
- どの商品を最初に食べてもらうか
- どの価格なら初回購入のハードルを下げられるか
といった商品構成を改めて検討。
その結果、1,000円のお試しセットを開発しました。
この商品については、送料や原価まで含めると1件販売するごとに約300円の赤字となる設計でした。
当然、赤字商品を無計画に販売することはおすすめできません。
今回のお試しセットは、単体で利益を出す商品ではなく、
新規顧客を獲得し、楽天市場内での販売実績・SEO・ランキング・レビューを作り、その後の本命商品購入につなげるための商品
として明確な役割を持たせています。
いわば、広告費として支払うはずだったコストの一部を「商品そのもの」に持たせる設計です。
お試しセットが新規顧客獲得の起点に
投入したお試しセットは、その後大きく販売数を伸ばしました。
販売数が増えたことで新規顧客との接点が増え、楽天市場内での露出も拡大。
広告だけに頼るのではなく、
「商品が売れることで、さらに商品が見つかりやすくなる」
という好循環を作ることができました。
ただし、入口商品だけが売れていても店舗として利益は残りません。
そこで同時に進めたのが、お試しセット購入後に選ばれる「本命商品」の育成です。
「くまのフィナンシェ」を単体商品化し、本命商品へ育成
お試しセットの中に含まれていた商品の一つに、「くまのフィナンシェ」がありました。
元々はアソート商品の一部でしたが、商品そのものの魅力やギフトとの相性を考え、ECで単体商品として展開することを提案。
パッケージや個包装の袋もEC販売に合わせて見直しました。
これによって、
お試しセットで商品を知る
↓
味を気に入る
↓
自宅用・ギフト用としてフィナンシェを購入する
という流れを作りました。
その結果、「くまのフィナンシェ」は店舗内でも1、2を争う看板商品へ成長。
入口商品で顧客を獲得し、利益を確保できる本命商品につなげる商品構成が整っていきました。
ギフト対応を「できる」から「伝わる」状態へ
商品分析を進めるなかで、もう一つ大きな改善余地があったのがギフト需要でした。
店舗では、
- ギフト包装
- 熨斗
- 贈答対応
などに対応できる状態でした。
しかし、楽天市場の商品ページには包装後の商品写真や熨斗の種類などが十分に掲載されておらず、ユーザーから見ると、
「この商品をギフトとして購入してよいのか判断できない」
状態になっていました。
ECでは、対応できることと、ユーザーに伝わっていることは別です。
そこで商品ページや画像を刷新し、
- 包装した状態
- 熨斗の種類
- ギフトとして利用できること
- 実際に贈ったときのイメージ
を視覚的に伝えられるよう改善しました。
特に楽天市場は商品を比較しながら購入するユーザーも多いため、ページを一目見ただけでも用途が理解できるよう、ビジュアル面を強化しています。
これによりギフト用途で購入される商品が明確になり、バレンタインなどの需要期にも安定して売上を作れる店舗へ変化していきました。
レビュー・LINE・メルマガまで含めて、購入後の導線を整備
新規顧客が増えても、一度購入して終わってしまえば、継続的な売上にはつながりません。
そこで入口商品・本命商品の整備と並行して、購入後のCRMも改善しました。
具体的には、
- 同梱チラシによるレビュー獲得導線
- メルマガ配信
- LINE配信
- リピート購入につなげるコミュニケーション
などを整備。
その結果、レビューは約3ヶ月で135件まで増加しました。
食品ECでは、実際に食べた購入者からの評価が蓄積されるほど、初めて購入するユーザーにとっての安心材料になります。
さらにLINE経由の転換率も改善し、**12月の5.7%から2月には41.4%**まで上昇。
単発の新規購入だけではなく、一度購入したユーザーと継続的に接点を持てる店舗へと変化していきました。
RPP広告も「全部にかける」のではなく、売れる商品に集中
商品構成とページが整ったあと、RPP広告についても配分を見直しました。
単純に広告費を増やすのではなく、
- お試しセット
- フィナンシェ
- レーズンサンド
など、すでに購入反応が確認できている商品を中心に広告予算を集中。
商品ごとのCVRやROASを確認しながら、成果につながりにくい商品への広告配分を抑えました。
その結果、RPP広告のCVRは、
2.78% → 4.39%
へ改善。
ROASについても、
228% → 389%
まで向上しました。
先に商品・ページ・レビューを整え、その後に広告を最適化したことで、同じ広告費でも売上につながりやすい状態を作ることができました。
3ヶ月で月商5万円から150万円へ。約30倍の売上成長
こうした施策を段階的に進めた結果、サポート開始時には約5万円だった楽天市場の月商は、約3ヶ月で150万円を突破。
約30倍の売上規模まで成長しました。
その後も一時的な売上増加で終わることなく、レビュー・リピーター・ギフト需要が積み上がり、2026年3月には過去最高となる月商158万円を記録しています。
CVRも当初の0〜1%程度から約5%まで向上。
客単価についても2,000円台まで上昇しました。
今回の成果は、一つの広告施策によって生まれたものではありません。
入口商品で新規顧客を獲得し、本命商品で利益を作り、ギフトで用途を増やし、レビューとCRMで次回購入につなげる。
店舗全体を一つの販売導線として組み直した結果です。
施策のポイント
- 赤字を「値下げ」ではなく新規顧客獲得コストとして設計した入口商品の開発
- お試しセットから高利益の本命商品につなげる商品構成
- 実際の商品を確認したうえで、実店舗での魅力をEC向けに翻訳
- ギフト包装や熨斗など、既存の強みを商品ページ上で可視化
- レビュー・LINE・メルマガまで含めた購入後のCRM設計
- 売れる商品へRPP広告を集中させ、広告効率を改善
- 店舗側のリソースに合わせ、実務運用まで含めて支援
楽天市場での実績が、実店舗・卸営業にも波及
今回、ECで得られた成果は楽天市場の中だけには留まりませんでした。
楽天市場で販売数が増え、大量の高評価レビューが蓄積されたことで、それ自体が商品の評価を示す実績となりました。
そのレビューや販売実績を、スーパーやデパートなどへの卸営業でも活用。
「実際に多くのお客様から評価されている商品」という第三者評価を提示できるようになったことで、リアル店舗への卸売上にも良い影響が生まれています。
ECは単なる一つの販売チャネルではありません。
EC上に蓄積された販売実績・レビュー・顧客評価が、ブランド全体の営業資産として機能するケースもあります。
今回の事例は、その相乗効果が特に大きく現れたケースとなりました。
EC担当者の業務を「ほぼ発送のみ」まで軽減
売上と同時に改善したのが、店舗側のEC運営負担です。
当初は実店舗業務と並行しながら、
- PC関連の設定
- 商品登録
- 管理業務
- 商品手配
- 日々のEC運営
まで、ほぼ1人で対応されていました。
売上を伸ばしたとしても、店舗側の業務量が増え続ければ、長期的な運営は難しくなります。
そこでGOAT側で実務運用まで対応することで、店舗側の作業を大幅に削減。
現在は、店舗側ではほぼ発送作業を中心に対応するだけの運営体制となっています。
実店舗を主軸とする店舗様だからこそ、ECにすべてのリソースを割くのではなく、無理なく継続できる運営体制を作ることも重要です。
売上だけを伸ばすのではなく、
「その売上を、今の組織で無理なく維持できるか」
まで含めて設計した事例です。
ネットショップについて、より詳しく知ってみませんか?
ECのロジックを知れば、「出来るかも」が増えます。
「出来るかも」が実現したら、楽しくなります。
楽しくなると、より店舗運営が「楽」になります。


